アジアの風だより 第121話 |
ローイ・クラトンと寺院のお祭り
タイの11月はタイ式の精霊流し、ローイ・クラトンが行われる月です。陰暦(旧暦)12月の満月の日に行われるため10月になることもありますが、2015年の今年は11月25日(水)がその日となります。
ローイ・クラトンは、基本的には小さな手製の舟を花やロウソクで飾り、川に流して心身を浄める行事です。詳細については過去の掲載記事をご覧ください。
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アジアの風だより 第97話 ローイ・クラトンの季節
タイ北部の観光都市チェンマイでは、この祭は「イーペン祭」と呼ばれています。名前は違いますがやることは同じで、やはり川にクラトンを流します。ただ北部ではこのほかにコムローイという大型の天灯を空に放つことでも知られています。最近はクラトンよりもこのコムローイに観光客の注目が集まっていますが、数百にものぼる天灯が暗い夜空にいっせいに放たれる様にはたしかに胸が打たれます。
しかし、最近は航空機の飛行の障害になるため、放てる場所と日取りが制限されるようになりました。首都バンコクは全面的に禁止ですし、本場チェンマイでも場所は限定されています。それでもあちこちで放たれますが、そのうちに重大な事故が発生するかもしれません。実際にチェンマイでは灯が付いたままの天灯が墜落して街を代表するワローロット市場が火事になったりもしました。こうなると善も得もありません。コムローイは決められた会場に行って放したり見物したりすることにしましょう。
ローイ・クラトンの前後はタイ国内各地の寺院で大規模な祭事が行われます。境内や周辺はたくさんの露店でにぎわって、その雰囲気は格別です。すでにあちこちの寺院で始まっていますので、どこかで目にするのではないでしょうか。
確実に体験したいなら、黄金の山プー・カオ・トーンを抱えるバンコクのワット・サケットに行ってみましょう。ここでは毎年、ローイ・クラトンの夜を千秋楽として1週間以上にわたって大規模な縁日が開かれます。世界各国の旅行者が集まるカオサン通りも近いので、夜に時間があるなら予定に組み込んでおきましょう。
●国名: タイ
●都市名: タイ全土
●行き方: -
バンコク在住著者の藤井伸二が、個人的に「ここはおいしい」という食事処を紹介。ガイドブックにも載っている有名なレストランから入るのがためらわれる路地裏のローカル屋台風食堂まで。
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