旅行会社こぼれ話 第1話 |
花の添乗員
世間一般には“花の添乗員”と言う言葉がございます。いかに楽しく(?)、華々しいか(?)ひとつ例を挙げてみましょう。
ネパールツアーでの添乗。近郊の丘の上まで日の出を観に行きました。季節は真冬。それは見事な日の出、それも元旦の初日の出でした。お客様は皆さん大変喜ばれ、添乗員としてもホッ!としたのも束の間、さすがの寒さに皆さんいわく
「トイレはないの?」
標高2,000m近いヒマラヤ山脈に続く丘の上です。見渡すと近くに村があり、そこへ “花の添乗員”、任せて下さいとばかりに勇ましく丘を駆け下りて、トイレの借用の交渉を始めました。心優しいネパールの村人たちは即答で借用を許してくれ、添乗員は丘の上のお客様にOKのサインを送りました。
次々と丘を下って来るお客様を各戸のトイレへ誘導する添乗員、しかしさすがの彼もヒマラヤの寒さには勝てません、次第に高まる尿意…
しかしそこは添乗員ですから、当然ながらまずはお客様優先。必死に耐える彼にサッパリ顔のお客様いわく、
「バスはどこ?」
今度はバスへのご案内です。次々とバスへ誘導してゆきました。全員バスに乗車して人数チェックも完了、バスは市の中心へと向かいました。
添乗員は、初日の出がいかに素晴らしかったかと言うお客様の感想に熱心に耳を傾けていました。市の中心まで約1時間 -------。彼の頭の中はトイレ一色!!それでも耐えるしかない彼。
そう、彼のことを“花の添乗員”と呼んでいます。
Written by MR.キャメロット
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