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アジアの風だより 第95話

タイ国内鉄道の旅

タイ国内にも鉄道は走っていますが、短期の旅行で利用する外国人はあまりいません。そのもっとも大きな理由は「不便だから」。線路はあっても運行本数が少なく、スケジュールを合わせにくいのです。長距離列車の発車は朝と夜に集中し、日中は短距離便しか出て行きません。「ふと思いついたから乗ってみよう」では行く場所も乗る列車もなのいのです。

続く理由は「遅いから」。タイの列車は古く、線路の手入れもよくありません。そのため速度を上げることができず、結果的に移動時間が長くなります。航空機はもちろん高速道路網が整備されている現在ではバスにも速さではおよびません。

もうひとつの重大な理由は「遅れるから」。タイの列車が正確なのは始発の時間だけで、あとは遅れる一方。終点までの距離が長ければ長くなるほど遅れるしくみで、到着時間がはっきりしません。日本では時間に厳格な乗りものの代表である鉄道ですが、タイでは逆に南国のルーズさの見本のようになっています。これもまた楽しいものですが、到着したあとの行動予定が立てられないので、短期の旅行では利用しにくいのが現実です。

それでも鉄道の旅にはほかの交通機関では味わえない魅力があります。独特の風情といえばいいでしょうか。駅舎に漂う哀愁と緊張感は、鉄道だけの魅力です。

ゆっくり走るのもまた魅力です。過程を省いて一気に移動するのでは旅の実感もわきません。流れていく景色を眺め、駅で乗り降りする人の動きを追い、車内で食事しながらのんびり時間を過ごしてこそ真の旅だと言う人もいるでしょう。

たしかに不便な乗りものですが、それは貴重なお宝です。21世紀の現代に20世紀初頭の優雅さを味わえるタイの鉄道は、いつまでも深く記憶に残る旅を作ってくれでしょう。

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●国名: タイ
●行き方:
バンコクから鉄道で地方に行くならまずクルンテープ中央駅に行こう。通称フアラムポーンと呼ばれるこの駅はタイ国内を走るほとんどの列車の始発/終着駅だ。駅舎自体が名所でもあるので、鉄道を利用する予定がなくても一度は見ておきたい。

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