アジアの風だより 第82話 |
雨期のタイ王国を旅する
いまは8月。日本は梅雨が終わって暑い夏の真っ盛りですが、タイは雨の季節です。
タイの雨期は4月ごろから始まり、10月ごろまで続きます。熱帯の雨=スコールと思い込んでいる人も多いようですが、そればかりではありません。強く激しく一瞬だけ降ることもあれば、重くどんよりとした雨雲の下、じっとり梅雨のように降ることもあります。
地理的なものか大気汚染の影響か、この時期の首都バンコクはすっきりしない天気になります。どんより曇った日が続きますが、これは雨期が終わっても同じことで、都会の空はどこの国でもあまり晴れやかではありません。
一方、空気のきれいな地方の天気はメリハリがあります。晴れているときの空は青く、降るときは一気に降ります。雲の流れを見ていれば、いつ、どこに、どれだけ降るかもわかります。それくらいはっきりとした雨雲が現れて大地に雨を降らせるのです。
激しい雨は短くて30分くらい、長ければ3時間ほど続くでしょうか。雨期のなかばの今ごろはまだ一日中降り続くことはありません。時間に余裕があるのなら、近くで雨宿りしていればやりすごせるでしょう。雨具の用意があれば万全ですが、スコールのように降ってきた場合、傘ではしのげません。横からの風雨で体は濡れるし、雨が足元の道を小川に変えてしまうので足もすぐにベトベトになります。無理して外を歩くより、どこかで休憩するべきでしょう。
観光は、雨の合間を縫えばできます。この時期のうれしさは、雨のおかげで気温が下がること。いまの時期、タイは日本より涼しくて快適です。雨に洗われ空気もさわやか。たとえ空は曇っていても、晴れやかな気分で旅することができるはずです。
●国名: タイ
●都市名: タイ全土
>>> アジアの風だより インデックス