アジアの風だより 第78話 |
タイの正月 ソンクラーン
タイは4月に正月があります。カレンダーどおり1月1日も正月ですが、前日の大晦日にカウントダウンパーティがあるくらいで、元旦は静かなもの。しかし、この4月の正月は違います。ソンクラーンと呼ばれるこのタイの正月は、年に一度の大騒ぎといった感じで派手に陽気に騒ぎます。
ソンクラーンは別名"水かけ祭り"と呼ばれています。期間中は手当たりしだいに水をかけあうため、そう呼ばれるようになりました。そもそもは仏教にちなんだもので、年長者や恩師の手に清めの水をかけて新たな年を祝う行事でしたが、一年で最も暑い季節と重なっていることもあり、いつしか手と言わず頭や全身に激しく水をかけあって大騒ぎする体育会系のイベントになりました。
騒ぎは年を追うごとに大きくなり、最近は相手も選ばず、礼儀も遠慮もなく水をかけるのが常識化しています。こうした大騒ぎする側面ばかりアピールされたため、外国人はソンクラーン=無礼講と思い込むようになってもいます。
無礼講的水かけが行われるのは外国人の集まるエリアで、バンコクではバックパッカーの集まるカオサン通りと、ビジネス街として知られるシーロム通りが有名です。期間中、これらの通りは歩行者天国となり、歩行も困難なほどの人出で混み合います。同様に外国人の多いスクムビット通りも朝から晩まで大騒ぎとなり、濡れずに歩くことなどできません。
地方では北部のチェンマイが有名で、こちらでは水かけのほかパレードや各種イベントも行われ、郷土色豊かに祝われます。文化的行事としてソンクラーンを楽しみたいならバンコクではなくチェンマイに行くべきでしょう。
元旦は4月13日ですが、法令で15日までの三が日が連休に指定された関係で、最近はこの三日間をソンクラーンと称しています。2012年の今年は週末と重なったため、13日から16日まで4連休となります。
都会に働きに出た労働者は前日の12日あたりからいっせいに帰省し、タイ国内の行楽地はタイ人観光客で埋まります。飛行機、バス、鉄道はいずれも満席、観光地のホテルも満室になりますので、予定が決まっているなら早めの予約が必要です。
●国名: タイ
●都市名: 全国すべての県