アジアの風だより 第76話 |
メコン川とともに栄える町
ノーンカーイ
ノーンカーイはイサーンと呼ばれるタイ東北部エリアの最北に位置する町です。町の北を流れるのはメコン川で、雄大な流れが西から東へと続いています。この川の対岸がラオスです。日本人はビザがなくても入国でき、さらに2週間の滞在が許されますので、わりと気軽に国境を越えることが可能です。
メコン川そのものが国境になっていますが、どこからがタイでどこからがラオスなのか、見ているだけではわかりません。厳密にはきっちり線が引かれているのでしょうが、タイとラオスの国民は他の外国人より気軽に行き来ができるので、気にしている人は少ないようです。
この川には橋が架けられています。タイとラオスの間には現在3箇所に橋が架かっていますが、ここはもっもと最初に架けられた橋。第一タイ-ラオ友好橋という名前が付けられていて、いまではノーンカーイの一番の観光名所になっています。
ノーンカーイの繁華街は、この橋から3キロほど東に離れたところにあります。かつて橋が架かる前まで国境越えに使われていたター・サデット船着き場のあるあたりに完成した大きな市場がその中心でしょうか。市場にはタイ製の商品はもちろんラオスや中国からの輸入品が大量に並べられていて、国境を越えなくても周辺国の商品が手に入るようになっています。週末は観光客が大勢集まって、まるで縁日のようなにぎわいです。
メコン川の河岸は、この市場を中心にして立派な堤防が築かれており、公園のように整備されています。おしゃれな喫茶店やレストランも並んでいて、ここだけが妙に都会の雰囲気。そのうちにタイの全体が、こんな感じになってしまうのかもしれません。
インドシナ貿易の重要拠点として、友好橋とともに発展を続けるノーンカーイ。ラオスへ陸路で渡るなら、その前にちょっと立ち寄りたい町です。
●国名: タイ
●都市名: ノーンカーイ
- 行き方 -
行き方:バンコクの北バスターミナルから直行エアコンバスに乗って約10時間。鉄道は、バンコク中央駅から終点ノーンカーイまで寝台列車が出ている。空路はなく、必要がある場合は約50キロ手前のウドーン・ターニーまで飛び、バス、タクシー、鉄道などで移動する。