アジアの風だより 第73話 |
ナコーン・パノム
ナコーン・パノムはタイ東北部イサーン地方のさらに最東北部にある町です。東を流れるのはメコン川で、その向こうはラオスの国土。さらに東のベトナムも、そう遠くはありません。
こうした地理的環境もあって、この町では以前から国境貿易が盛んに行われていました。タイからは生活必需品を中心とした物資が大量に送られ、かわりに川向こうからは民芸品や乾物などが運ばれて来ます。繁華街はメコン川沿いのイミグレーションと税関の付近に広がっていて、貿易品を専門に扱う大きな市場もあり、現在もあちこちで盛んな商取引が行われています。
この国境になっているメコン川は、これまで船でしか渡ることができませんでした。人と荷物は小さな船で、車や貨物トラックはフェリーを利用して渡るのです。これはこれで風流でしたが、2011年11月11日、このメコン川にかかる第3タイ・ラオス友好橋が開通し、人と物の流れは一気に変わる気配を見せています。
この橋はメコン川をまたいでラオスに架けられた三番目の橋で、2009年に建設が始まりました。当初の話では3年後の2012年に開通とのことでしたが、珍しく予定より早く完成しています。予定は遅くなっても早くなることがほとんどないタイでは(ラオスもですが)なかなかないことでしょう。
それはさておくとして、このナコーン・パノムは見どころの多い町です。南にはタイでもっとも美しいと言われる仏塔タート・パノムがあり、有名なメコン川ボートレースが開催されることでも知られています。このあたりにしか棲息していないメコンの怪魚ブラー・プクを食べさせるレストランもあって、訪れる人々をなにかと楽しませてくれます。橋を渡りに行ったなら、周辺も忘れずに観光してください。
●国名: タイ
●都市名: ナコーン・パノム
- 行き方 -
バンコクのモーチット北バスターミナルからエアコンバスが往復していて、所用10~11時間。空路もあるが、空港は市内中心部から車で30分くらい離れた場所にあってかなり不便。