アジアの風だより 第72話 |
ナコーン・ラーチャシーマー
タイ東北部イサーン地方の玄関口にあたるのがナコーン・ラーチャシーマーです。通称のコラートで呼ばれることのほうが多いですが、コラートとはこの県がある高原地帯を指しています。
この高原の平均標高は200メートル。たいして高くはありませんが、首都バンコクの標高が0から2メートルしかないため、これでもずいぶん高く感じられます。実際、バンコクから東北方面に向かうと、途中で急な登り坂になります。この坂を越えるとナコーン・ラーチャシーマーであり、ここからイサーンとなるのです。
イサーンはタイの田舎の代名詞になっていますが、ナコーン・ラーチャシーマーは発展しています。道路の整備が進んだおかげでバンコクから車で3時間もあればたどり着けるようになり、開発が一気に進みました。
しかし、本来は歴史のある街です。タイ戦国時代のなごりで市街は壕と城壁で囲まれていて、かなり以前から栄えていたことがしのばれます。街は東の旧市街と西の新市街に分けられていますが、それほど大きな違いはありません。むしろ現在では市街の北に完成したイサーン最大のバスターミナルを中心とするエリアに開発の手が伸び、商業的な発展が続いています。近年は郊外に工業団地が完成し、日系企業も多く入りました。これからさらに人と物流でにぎわうことでしょう。
観光名所はあまりありませんが、この北のコーン・ケーンと肩を並べるイサーンの中心地であり、そのためホテルは無数にあります。バンコクからも気軽に行くことができるので、視察がてらに行ってみてはいかがでしょうか。
●国名: タイ
●都市名: ナコーン・ラーチャシーマー
- 行き方 -
バンコクの北バスターミナルから頻繁にバスが出ている。鉄道はフアラムポーン駅から、こちらも本数は多い。空路もあるが空港は街から遠く離れているので不便。