アジアの風だより 第51話 |
タイの田舎で山登り
「タイで山登りしてきた」と言うと、この国に何度も来たことがある人でさえ「ええ?」と驚きの表情を見せます。そんな山がタイにあることを知らない人が多いのですが、豊かな自然に恵まれた国ですから、もちろんあります。
乾期で涼しいいまの時期であれば、目指すはイサーン北部ルーイ県にあるプー・クラドゥンです。同名の国立公園の中心になっている山で、標高は約1300メートル。普通の山と違って頂上部分が平坦な高原になっているので、もっとも高い場所がどこにあるのかはっきりしない、ちょっと変わった山です。
日本の山に比べれば高くありませんが、道はけわしく、ふもとの登り口から頂上までは約6キロ、時間にして4時間前後かかります。途中には急傾斜の岩場もあり、運動不足の人には厳しい道のりと言えるでしょう。
しかし、そこはタイ。ふもとに荷揚げの専門家がいて、重さに応じた代金を払えば、どんな荷物でも頂上までかついで運んでくれるのです。その気になれば手ぶらでも登れますので、ぜひ利用してください。
宿泊は、この広い頂上にあるキャンプ場で行います。バンガローもありますが、基本は野営で、テントは自分で持ち込んでもいいし、用意されている(すでに設営されている)ものを借りてもかまいません。毛布も貸してもらえますが、寝袋があったほうがいいでしょう。またキャンプ場には食堂があるので、食事には困りません。
周辺にはトレッキングルートがあり、滝あり崖あり象の散歩道ありで飽きません。景色はすばらしくよく、道中に上り下りはほとんどないので、歩くのに苦痛は感じないでしょう。
交通の便がやや悪く、外国人にはあまり紹介されていませんが、一度行ったらまた行きたくなるのは確実です。
●国名:タイランド
●県名:ルーイ
- 行き方 -
バンコクの北バスターミナルからルーイ方面行きのバスに乗り、プー・クラドゥンのふもとのターミナルで降りる。そこからソンテウに乗り換えて、登り口に向かう。