アジアの風だより 第48話 |
バンコクからすぐに行ける島
シーチャン
シーチャン島はバンコクからもっとも近くにあって、(たぶん)もっとも大きい観光用の島でしょう。
漁業も盛んで、港には漁船が鈴なり状態で停泊しています。漁業や海上貿易の途中で嵐にあったときに一時的に船を寄せる場所として知られていた島で、そのせいでしょうか、こんな辺鄙な場所にもかかわらず中国人が多く暮らしています。町の裏手の山の上には立派な中国寺院が建てられていて、島民はもちろん本土からの参拝客も絶えません。
島はラマ5世が避暑用に建てた宮殿があったことで有名です。19世紀の末にフランス軍がこの島に上陸したため、ラマ5世はここでの避暑をあきらめましたが、そのとき宮殿の一部をバンコクに移しました。それが現在バンコクのデュシット区にあるウィマンメーク宮殿になっています。
宮殿の一部はいまも残り、広い敷地とともに保護されて、一般にも公開されています。ラマ5世ならずともゆっくり夏場を過ごしたくなる、そんな素敵な空気がこの宮殿の跡地に満ちています。
島の反対側の海岸線にはチョン・カオカーと呼ばれる岩場の崖が延びています。タイに、それもバンコクからこんな近いところにこれほどすばらしい眺めの場所があるのが信じられません。
島には、小さいながらもビーチがあります。海は青くどこまでもきれいで、開発で汚れてしまったパタヤーの比ではありません。
バンコクから近いビーチではバーンセーンが有名ですが、ちょっと船に乗って沖に出れば、もっときれいで静かな場所にたどり着けます。
都会の喧噪から逃れたい人は、ラマ5世も愛した美しい島、ここシーチャン島にぜひ行ってみてください。
●国名:タイランド
●県名:チョンブリー
- 行き方 -
バンコクの東、パタヤーの手前、車で約1時間半のところにあるシー・ラチャーの港から船に乗って約30分で到着。