アジアの風だより 第42話 |
貿易で栄える国境の町
ムクダハーン
ムクダハーンはタイの東北部に広がるイサーン高原のさらに東北の果てにある小さな町。東にはメコン川が流れ、渡るとラオスに行くことができます。
この町は以前からラオスとその先にあるベトナムを含めたインドシナ諸国との貿易拠点になっていましたが、2006年にメコン川に架かる第2友好橋(フレンドシップ・ブリッジ)が開通したおかげで物流量が増え、商業的な重要度が一気に高まりました。
全長1600メートルもあるこの橋は日本の建設会社が施工したもの。日本の企業は、こんな田舎でも活躍しているのです。
橋は自動車専用ですので、渡るときは乗り合いバスか自家用車を使います。乗り合いバスはバスターミナルから1時間に1本出ているし、日本人はラオスの入国ビザが不要なので、思い立ったらその場ですぐに隣の国に行くことができます。これは島国日本ではなかなかできない体験でしょう。
橋のほかでは町の南に立つムクダハーン・タワーが名所として知られています。高さ50メートルの白亜の塔で、エレベーターに乗って展望台に昇れば町とメコン川が一望の元。眼前に360度広がる豊かな自然と風景は眺めていて飽きません。
町の中には見どころがほとんどありませんが、イサーンはどこもそんなもの。しかし、ここにはメコン川があり、インドシナ各国の物産を扱う市場があります。
のどかな中にも漂う活気……ムクダハーンは、そんな空気を楽しむ町なのです。
●県名:ムクダハーン
- 行き方 -
バンコクの北バスターミナル(モーチット)から直行バスに乗って8~9時間。鉄路または空路で行きたい場合はイサーンの南の終点ウボン・ラーチャターニーの駅か空港まで行き、そこからバスで約3時間。
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