アジアの風だより 第41話 |
メー・ホーン・ソーンの山中で
ホームステイ
最近、タイ人旅行者の間で「ホームステイ」が流行しています。
これは文字どおりタイ人の家に宿泊するもので、そうやってタイ人の本来の生活に触れるのです。
「外国人ならともかく、なぜタイ人が? タイ人なら、普通に暮らしていても本来のタイ人の生活をしているのでは?」
そう思われるかもしれませんが、国の発展にともなってタイ人の生活も現代的・欧風的になってしまい、「本来のタイ」が急速に失われ、若い世代の間ではそういうものをまったく知らない人たちが増えているのです。
ホームステイでは数十年前のタイ人の暮らしが味わえます。この手の施設が用意されているのはアクセスも不便な田舎で、建物は古い木造が決まり。そんなところに好んで行き泊まるのは、不便さをあえて求める必要が彼らにあるからです。
今回はメー・ホーン・ソーンの山中、パン・ウンというミャンマー国境にほど近い村でホームステイしてみました。映画の舞台になったことで一躍脚光を浴び、村にはホームステイヤーを受け入れる家が何軒もあります。辺鄙なところで、公共の電気が通っておらず、電力は各戸が自家発電で対応しています。料理はおまかせ、部屋は大広間でザコ寝かテント、シャワーはなく風呂は手桶で水をすくって頭からかぶるだけと、優雅な旅とはまったく言えませんが、大変な人気でどの家も予約なしでは泊まれません。
自然はどこにでもあったはずのタイ。それがいまでは高いお金を払わなければ手に入らなくなりました。複雑な気もしますが、いつか完全に失われてしまう前に、みなさんも一度田舎でのホームステイを体験してみてはいかがでしょうか。いい思い出になると思いますよ。
●県名:メー・ホーン・ソーン
- 行き方 -
メー・ホーン・ソーンの町から車で約1時間半~2時間の山中。公共の乗り物ではなかなか行きにくい。
*メー・ホーン・ソーンへの手配は こちら からご予約できます。