アジアの風だより 第37話 |
象の背中
タイ観光の目玉のひとつに「象が間近にできること」があります。日本では動物園で、しかも高い塀や柵越しにしか見ることはできませんが、ここタイでは象をすぐ目の前で見ることができるし、さらには近づいて素手で触ってみることもできるのです。
タイは象がたくさんいる国で、どの観光地にもさりげなくいます。バンコク近郊で特に多いのは、古代都市として有名なアユタヤで、ここには象のトレーニングキャンプがある関係で、遺跡のまわりに巨体がぞろぞろ。そのゆったりとした動きはユーモラスである一方、重量感ある足運びには貫禄が満ちあふれています。
あらためて見てみると、実に大きな動物ですね。しかも頭が非常によく、人間の言うこともよく聞きます。本気になったら人間など簡単に踏みつぶすことができるのにそうしないのは、人と彼らの間にしっかりした信頼関係が築かれれているからでしょう。
このアユタヤを含め、観光地にたむろしている象は飼育係によってきちんと教育されています。背中に鞍が付いている象は客を乗せることができる、いわば遊覧観光用の象。この機会に、ちょっと乗ってみませんか。日本では、なかなかこういうことはできません。
乗るときは、まるで飛行機に乗り込むときのようにタラップを踏み、鞍まで上がります。思っている以上に高さがあることにまずビックリ。さらには、とても揺れることに驚くはず。酔いやすいかたは背中で象酔いしないように気をつけてください(←冗談ではなく本当に!)。
ついでに頭のあたりをなでてみましょうか。毛が生えていますが、まるで針金のようで、力を入れて叩いたら手のひらに穴が空きそうです。
こんな驚くばかりの生き物が、まるで犬や猫のように普通に人々と暮らしているのが、タイという国の楽しいところなのです。
●象は、アユタヤ遺跡、バンコク郊外のローズガーデンやエレファントショー会場などで乗ることができます。大人しいとはいっても体重があり危険なので、象の周辺では勝手なことはせず、飼育係の指示にきちんと従いましょう。
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