| アジアの風だより 第252話 |
またもや大洪水の危機
日本でも報道されていますが、バンコクでまたもや大洪水が発生しました。タイは洪水の多い国で、街が水面下に沈むニュースは珍しくありませんが、一国の首都が沈没したら大ニュースです。
2026年9月末の大洪水は、中心になったのがバンコクでした。首都の北部から北東部、そして東部にかけてが信じられない規模で冠水しました。現在のタイは雨季の末期で、大雨が降るのは知られるところですが、今回はその大雨が長時間降り続きました。通常であれば激しく1~2時間降ってやむところが丸一日以上降り続き、道路や住宅街を広範囲に冠水させたのです。
バンコクはチャオプラヤー川の河川敷にあり、土壌は砂と泥でできています。全体の海抜は0メートル前後。地盤は大変弱く、高層ビルを建てるときは岩盤まで数百メートルのパイルを打ち込む必要があります。2025年3月に発生したミャンマー国内での地震でなぜかバンコク都内のビルが崩壊したりひび割れしたのもこうした弱い地盤が原因で、あのときは地表が水面のように波を打っていたという報告が多数ありました。
このような大地の上にあるため、バンコクは水害に大変弱い都市になっています。土壌は水分を含みやすく、またその水がなかなか抜けません。抜くために排水しようと思っても川や運河の水面が大地と同じかそれより高かったりするため、なにもしないでいると抜けるどころか入り込んできます。今回のバンコクの大洪水も都市の排水処理能力を超えた量の雨が長時間降り続いたため、必然的に発生したと考えられています。
この大雨が振り始める前、タイの気象局は「今週末の雨は普通とは違う」と警告を発していました。目にしたときはこの「普通とは違う」の意味がわかりませんでしたが、過ぎてみればたしかにあれは、いつものタイの雨とは様子が違いました。
このように世界の気象状況が変化した現在では、過去の経験が未来に役立つとは限りません。警報や警告は常に最悪の事態を想定して目や耳に入れるようにしておきましょう。
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●国名: タイを含めたアジア全域
●県名:首都バンコクを中心にしたタイ中央部の全県とタイ東部
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著









