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アジアの風だより 第222話

水かけ祭としてのソンクラーン

タイで4月となればソンクラーンです。「これ以外になにがあるか？」と言っていいほどのビッグイベントで、今月はタイの国内全体が躁状態となります。

タイの政府はこの祭を「水かけ祭」としてユネスコの無形文化遺産に申請しました。それが見事に通り、昨年12月に正式登録されています。だからといって内容が変わったわけではありませんが、格式は高まったと言えるでしょう。これで近年の体力まかせの無礼講から文化的なイベントに昇華してくれればいいのですが、この原稿の執筆時点では確認できていません。

ソンクラーンはタイの新年で、13日が元旦に当たります。これを受けてタイでは13日から15日までの三が日を祝日にしていますが、2024年の今年は16日（火）が振替休日、さらに大晦日の12日（金）を臨時の祭日にして5連休となることが確定しています。

また前週の6日（土）が現王朝（チャクリー王朝）の開朝記念日で祝日、翌週の8日（月）が振替休日で3連休になっています。続けて9日から11日を休めば実に11連休となりますが、タイの役所はこれを推奨していて、事実上そうなるようです。以前からタイの役所は大気汚染の解消策としてリモートワークを推奨しており、それをさらに進めた形なのかもしれません。

ソンクラーンの水かけは基本的に三が日で終わりますが、以前からバンコクの南隣サムット・プラカーン県にあるプラプラデーンと東のチョンブリー県にあるパタヤーでは1週間遅れて開催されています。パタヤーなどは三が日が終わってからも外国人旅行者を中心にだらだらと水をかけあうのが恒例で、ほとんど迷惑行為のようにもなっていますが、もともとルール無用のリゾート地なのでしかたがありません。これらを含めますと、今年のタイの4月は2～3週間ほど水びたしになると予測されています。

近年にない長期間の休暇と水かけになる今年のソンクラーン開けの虚脱感は相当以上になりそうで、今月のタイはほほ間違いなく仕事にならないでしょう。

●国名：タイ
●県名：タイ全国どこでも
- 行き方 -
本来は寺院や家庭内で行われる行事だが本格的な水かけ祭となった現在では街のいたるところで水のかけあいが発生する。