アジアの風だより 第218話 |
MRTピンクライン開業
今年(2023年)の6月に開業したMRTイエローラインに続いてピンクラインが開通しました。試運転期間として一般に開放されたのは11月21日。正式に開業するのは12月18日で、それまでは無料で乗車することができます。
全長は34.5キロ。その間に30の駅があります。すでに開業しているゴールドラインやイエローラインと同じくモノレールで、運転手も車掌もいない完全自動運転車なのもまた同じ。車内には乗務員が1名いますが、車内外の様子を確認するだけで運行にはタッチしません。車内アナウンスも含めてすべてが集中管理で運行されています。
始発から終点までの所用時間は約65分。全長が34.5キロですから速度は時速30キロ超といったところでしょうか。しかし高架下は渋滞の名所とも言える通りですから、この速度で走りきれるのはたいしたもの。時間の読めない車での移動と違い、これで予定も立てられるようになりました。
西側の始発/終点はノンタブリー県のノンタブリー・シビックセンター駅です。そこから大きく弧を描くように東に向かい、東のミンブリー駅に至ります。ミンブリー駅の周辺はまだほとんど開発されていませんが、ひとつ手前のミンブリー・マーケット駅には名前のとおり巨大なミンブリー市場があり、人と物の行き来が一日中絶えません。ピンクラインの開業によって今後この周辺がどのように発展していくのか、市場の規模を考えると楽しみです。
このピンクラインはいくつもの鉄道路線と接続しているのが魅力です。すでにパープルライン、レッドライン、BTSスクムビット線の延長であるライトグリーンラインと接続されており、東の始発/終点ミンブリー駅では建設中のオレンジラインと接続する計画になっています。
バンコクを中心とする高架鉄道の工事は現在でも夜を徹して行われていますが、すべてが終了した暁には、信じられない交通網が築かれているでしょう。
●国名: タイ
●県名:バンコク、ノンタブリー
- 行き方 -
ノンタブリー・シビックセンター駅へはMRTブルーラインからMRTパープルラインに乗り換えてたどり着ける。ミンブリー駅の近くにはセーンセーブ運河を行き来する高速船の乗り場があり、これを利用すればプラトゥーナーム市場からミンブリー駅やミンブリー・マーケット駅に行くことができる。
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著