アジアの風だより 第217話 |
2023年のローイ・クラトン
2023年の今年の乾季/寒期は11月の初旬になるとの発表がタイの気象局から発表されています。例年より2週間ほど遅い入りとなっているようです。
この雨季の終わりを告げるイベントにもなっているのがタイのローイ・クラトンです。クラトンと呼ばれる花やロウソクで飾られた小舟を川に流す仏教行事で、年に一度、雨季が終わるあたりに行われます。1年が354日の陰暦に従って行われるので開催日は毎年変わりますが、今年は年も押し詰まった11月27日(月)がその日となりました。
ローイ・クラトンについてはこれまでも説明してきましたが、基本的には前記のようなシンプルな行事です。ただクラトンは陽が暮れてから流され、また装飾のロウソクや花火の火が水に映えてロマンティックな雰囲気を漂わせることから、夜間に集中的ににぎわうイベントになっています。
今年は心配された水害もなく、河川の増水も想定内に収まっているため、多くの人出が予想されています。人気スポットの周辺は大渋滞にもなりますので、早めに行くのが得策かもしれません。
最近の話といえば、クラトンを「流す」のではなく、空に向かって熱気球を「放つ」コームローイと呼ばれる行為もこの日の名物になってきました。これは元を正せばチェンマイのバーの主人が思いつきで始めたもので、仏教とも伝統とも関係のないものですが、見栄えがとてもいいので観光客に喜ばれています。ただし航空法に抵触するのでどこからでも揚げていいものではありません。墜落して火災を引き起こしたりもするので市街地や繁華街では禁止です。
コームローイ会場として指定されている場所であれば許されますので、記念に揚げてみるのもいいかもしれません。充分な浮力が得られるまでコームローイを逃がさず捕まえているのが大変で、ほとんど力仕事となりますが、それもまたいい思い出になるでしょう。
●国名: タイ
●県名:タイ全国で開催
- 行き方 -
クラトンを水に流すので池や川の水際がにぎわう。ビーチリゾートでは海に流ししたり、ホテルではプールに浮かべたりのイベントもある。
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著