アジアの風だより 第202話 |
年に6回 タイ国鉄記念運行
タイ国鉄が使用している鉄道車両はディーゼル車が中心で、電化はほとんど進んでいません。バンコク都内中心部とスワンナプーム国際空港を結ぶエアポートリンク(タイ国鉄が運行)など一部の高架都市鉄道を除き、ほとんどの国鉄車両がいまも黒い煙を吐き出しながらタイの広い国土を行き来しています。
そのタイ国鉄が蒸気機関車を走らせているのはご存じでしょうか。定期運行ではありませんがいまでも現役で、力強く煙を噴き上げながら、タイの鉄路を走っているのです。
蒸気機関車が走るのはタイ国鉄による特別記念運行の日だけで、現在は1年に6回、以下の日に走っています。
3月26日 タイ王国鉄道記念日
6月3日 スティダー王妃誕生日
7月28日 現タイ国王誕生日
8月12日 母の日(シリキット王母誕生日)
10月23日 チュラロンコーン大王記念日
12月5日 父の日(プーミポン前国王誕生日)
いずれもタイ王室とタイ国鉄の重要日です。タイの鉄道はチュラロンコーン大王ことラーマ5世によって始められたので、同大王の命日(10月23日)にも運行します。
この記念運行は、一般客の乗車も可能です。ただし1年に6本ですから乗車券の購入が難しく、プラチナチケットと化しています。希望者は前売り情報を確認し、タイ在住の知人または旅行代理店を介して確実に取得しておきましょう。
●国名: タイ
●県名: バンコク、アユタヤー、ナコーン・パトム、チャチューンサオ
●行き方: 終点(目的地)は運行日によって変わるが始発はバンコク駅(フアラムポーン)で午前8時10分発。乗車券は完全前売りで、持っていればどの停車駅からでも乗車することができる。目的地到着後は現地の観光ツアーもある。
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著