アジアの風だより 第198話 |
どうなる今年のソンクラーン?
4月となれば、タイはソンクラーンの話題で持ちきりとなります。仏歴による新年で、毎年4月13日に元旦を迎えます。タイだけではなくお隣のカンボジア、ラオス、ミャンマーなどもここで旧年と新年が切り替わります。仏教国にとっては西暦や旧暦の正月よりも大事な日です。
ソンクラーンというと最近は「水かけ」が注目されますが、これは観光の目玉として取り上げられているだけで、水をかけあうのが本来の目的ではありません。あくまでも新しい年を迎える日がソンクラーンで、水は清めのために使用されていました。近年はそんないわれなどすっかり忘れ去られ、派手な国際イベントと化しているのは周知のとおりですが、それが目当てで世界各国から観光客が集まってもいます。
しかし、長引く新型コロナウイルスCOVID-19の影響で、この2年は水かけが禁止されていました。そして今年はなんとか……の願いもむなしく、2022年のソンクラーンもまた水かけ禁止の令が政府より出されました。水かけの激戦地でもあるバンコクのカオサン通り事業者協会はこの決定に最後まで抵抗していましたが、4月に入って政府の指示に従うことを決定。これによりソンクラーン恒例の水かけ大騒ぎは3年連続で公式に全面中止と相成りました。
ただし新年を祝う祝賀行事は禁止されておらず、寺院を含めたそれぞれの場所で伝統に従い行うのはかまわないとのこと。この「祝賀」がどのような内容になるかははっきりしておらず、また「外でできないなら閉め切った店内で水かけするぞ」との噂などがあったりして油断がなりません。
カオサン通りそのものは通常通りで、閉店指示などは出されていません。午後11時までの酒類提供も変わりません。タイ国内全域に目を向けても、今年のソンクラーンはCCSA(新型コロナ対策本部)の指示に準じるとのこと。祝賀も重要ではありますが、感染の拡大につながらないようお願いしたいところです。
●国名:タイ
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