アジアの風だより 第194話 |
2021年12月のタイ王国
2021年も今月で終了となりました。今年もやはり新型コロナウイルスCOVID-19に翻弄されましたが、年末になってようやく光が見えてきた様子です。
タイ好きの皆さんはすでにご存じのように、タイ王国は11月から外国人観光客を受け入れています。入国条件は増えていますが、さほど厳しくないと考えられているようで、外国人観光客の姿は突然と言ってもいいくらいかなり増えました。バックパッカー風の若い旅行者も目立っており、カオサン通り周辺の格安ホテルやホステルの空室も埋まり始めています。
一方、まったく増えていないのが日本人の観光客です。日本人の入国者そのものは11月以降の全外国人旅行者の上位に入る検討ぶりですが、「いかにも旅行者」といった風情の日本人を観光地や繁華街で見かけることはありません。日本人は休日が限定されているため、そうなっているのでしょう。
しかし、これも年末年始になれば話は違ってきて……のはずでしたが、最悪のタイミングで登場してきたのがオミクロン株です。毒性が強くないのが幸いですが、年末年始の休暇に胸をときめかせていた日本人には最悪でした。いつもは遅い日本政府の対策が今回に限っては猛烈に早かったのも、この機にタイを目指していた皆さんには不満だったようです。
ともあれタイの政府は感染者数の抑制より経済対策を優先する方向に完全に舵を切っており、それがまたなんとなく成功している空気もあります。タイの人たちはまだマスク生活を続けていますが、活気ははっきり感じられるほどに戻ってきています。2022年の来年は、いまよりずっと自由に旅ができるような気がします。
●国名:タイ
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