アジアの風だより 第193話 |
開国したタイ王国
11月1日、タイはバンコク都を含む17都県を「観光開国パイロット地域」に指定し、実質的な開国に入りました。日本を含む46カ国の国民は空路を利用して国際空港(スワンナブーム、ドン・ムアン、チェンマイ、プーケット、サムイ、ウタパオ、ブリラム)から隔離なしで入国できるようになったのです。
もちろん無条件ではありません。当面は「タイランドパス」という名の新たな申請手続をクリアした上での入国となります。申請に当たっては航空券の予約のほか、
1.出国14日前までに2回以上の新型コロナウイルス用ワクチンを接種しておくこと
2.出国前72時間以内のPCR検査で新型コロナ陰性となっていること
3.到着当日は健康安全基準(SHA+)を満たしたホテルまたは代替検疫施設(AQ)に宿泊すること(申請前に要予約)
4.(新型コロナを含む)5万ドル以上の医療補償がある保険に加入しておくこと
……などが必要となります。またタイ入国時にPCR検査が求められ、さらに入国後6~7日後にもう一度検査する義務があります。
行く前も面倒、行ってからも面倒といろいろありますが、到着後の隔離がなくなったのは朗報でしょう。せっかくタイに入国しても、直後に14日間もホテルにカンヅメされたら休暇の意味がなくなってしまいます。
ただ、11月上旬の時点では、肝心の街の準備ができていません。夜間外出禁止令は解除され、飲食店でお酒を飲めるようになりましたが、指定店に限られており、しかも午後9時までの提供に限定されています。パブやバーなどはいまも営業再開ができていません。11月のなかばには解除されるとの希望的観測が出ていますが、いまだ憶測の域にあります。
それでも12月1日からは完全開国の気配があるとの噂でもちきりなのが現在のタイです。そうなれば年末年始をタイ国内のどこかで過ごそうと考える日本人も多くなるに違いありません。そうなった場合にあわてずタイランドパスの申請ができるよう、いまからしっかり準備しておきましょう。
●国名:タイ
「観光開国パイロット地域」は次の17都県
バンコク、チェンマイ、サムット・プラカーン、チョンブリー、ラヨーン、トラート、プラチュアップ・キーリカン、パンガー、ペッチャブリー、プーケット、クラビー、ラノーン、スラー・ターニー、ノーンカーイ、ウドーン・ターニー、ルーイ、ブリーラム
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