アジアの風だより 第189話 |
ロックダウンと開国
タイ南部のリゾートアイランド、プーケットは今月(7月)から大きく動き始めました。外国からの観光客の入国を認める「プーケット・サンドボックス計画」が1日にスタートしたからです。
この計画は新型コロナウイルス用のワクチンを接種するなどの条件をクリアした外国人をタイに入国させるもので、その窓口としてプーケットが利用されています。プーケットは県全体が島になっており、外部からの出入り口が限られています。そうした環境を利用し、島そのものを隔離施設と考えて、外国人を迎え入れます。
プーケットは県民自体のワクチン摂取率も高く、準備は比較的整えられています。入国者はプーケット島内で14日間を過ごす必要がありますが、観光で訪れるのであれば十分な日数と言えるでしょう。この計画が成功すれば、15日から同じく南部のサムイ島も同様に外国人を受け入れる予定になっています。
このように明るい話題がある一方で、暗い話題も多々あります。首都バンコクが準ロックダウンに入ったのが、そのひとつです。
バンコクにおいては感染の拡大が収まらず、周辺の県も含めて最高度の危険地域指定を受け、先月末から強力な規制が始まりました。完全なロックダウンとの違いは夜間外出規制の有無とショッピングモールの営業許可くらいで、それ以外は昨年のロックダウンとほぼ同じ。食堂やレストランでの店内飲食も再び禁止となりました。
この準ロックダウンは、とりあえず7月末まで続けられるとのことですが、正直に言いましてもバンコク都内の押さえ込みはうまくいっていません。
タイの南部には明るい兆しも見えてきましたが、首都の状況はいったいどうなるのでしょうか。いまはロックダウンの効果が出て、来月には希望の見える話題が出てくることを願うしかありません。
●国名:タイ
●県名:プーケット
●行き方:今回のサンドボックス計画では空路での入国-入島のみ認めら
れている。
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