アジアの風だより 第187話 |
ロックダウン目前のタイ
5月に入り、日本はゴールデンウイーク、タイも連休となっていましたが、国内情勢はどちらも新型コロナウイルスCOVID-19で大混乱となっています。
日本は第4波襲来中ですが、タイはトンロー通りから始まった第3波に襲われています。タイ国内のCOVID-19の新規陽性者はほぼ毎日1000人以上、多い日は2000人を越え、状況は去年より悪くなっています。
ただタイは、かなり本腰でPCR検査を行っています。専用の検査車両を作り、全国各地で毎日場所を変え、1回に数千人の規模で検査しています。これだけの数の検査をすれば、陽性者の数もそれだけ増えるのは当然でしょう。
その陽性者を隔離する施設も日に日に増えています。大型の体育館や軍関係の施設を利用して、数百人単位で収容できる隔離センターを続々と整備しています。陽性者の数は増えていますが、自宅待機を基本とする日本とは大きく違って、なんとなく安心できる態勢だとも言えましょう。
タイ在住の日本人で陽性が確認された場合は、ほとんどは保険を使って病院またはホスピテルと呼ばれる医療ホテルに隔離されるようです。海外に出かける際は、仕事でも旅行でも、やはり保険には加入しておきたいものです。
タイには現在、非常事態宣言が発出されています。これは政府が発する全国に向けた警報ですが、今回の第3波では中央政府ではなく各県ごとに違ったレベルの規制が出されています。この規制は厳しい県もあれば比較的ゆるいところもあるといった感じで一律ではありません。これは停滞した経済を鑑みての策で、ロックダウンはなんとしても避けたい政府の意向が入っています。
現在行われている各種の規制は、とりあえず5月14日まで続けられる予定になっています。これが効果を現せばロックダウンは回避できますが、いまのところはまだはっきりしていません。
●国名:タイ
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