アジアの風だより 第186話 |
新型コロナ禍ソンクラーン2021
4月のタイは、なにをおいてもソンクラーンです。仏歴で元旦となるこのソンクラーンはタイで最も重要な日。しかし、例年ですと三が日に当たる13日から15日の3日間が祝日となり、タイ国内は帰省客と観光客で大変なにぎわいとなりますが、今年は昨年から続く新型コロナ禍で、どのようになるかわかりません。2021年は、とりあえず12日を追加の休日にして4月10日から15日までの6連休となりましたが、関係するイベントは限定的に行うように通達されています。バンコク都で説明しますと、
1. 水かけの禁止
昨今のソンクラーンは「水かけ祭」と称した無礼講的な水のかけあいに終始する日になっていましたが、これが完全に禁止となります。ペーンと呼ばれる白い粉を塗るのも禁止。ソンクラーンとは無関係なフォーム(泡)パーティも禁止で、仏教行事の原点に戻った静かな一日が期待できそうです。
2. 300人以上が集まる仏教行事は事前審査が必要
ソンクラーンは、元はといえば仏教国が新年を祝う日。そのため仏教寺院には初詣よろしく多くの参拝者が集まるのが恒例になっていますが、大勢で集まるのは禁止されます。新型コロナ禍でもありますので、できれば元旦(13日)は避けて参るのが正しいかもしれません。
3. 100人以上が集まるイベントは事前審査が必要
こちらはソンクラーンに合わせて行われる水かけ祭の規制でしょう。バンコクではカオサン通り、シーロム通り、サイアム・スクエアが聖地となって大規模な水かけイベントが行われますが、今年はすべて中止となっています。
現在のこの状況で例年のような密なイベントが行われたら、2週間後のタイは想像を絶する事態になるでしょう。それを思えば、これらの判断は適切と言えそうです。
ちなみに以上の規制に違反した者には2年以下の禁固または4万バーツ以下の罰金、もしくはその両方が科されます。めでたい新年とはいえ、羽目をはずした行動は慎みましょう。
●国名:タイ
ソンクラーンはタイの新年。元旦は4月13日。2021年の今年は商業的な大規模イベントは禁止され、寺院や家庭での仏教行事のみ認められる。
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