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HOMEコラムアジアの風だより第181話 ローイ・クラトン+ハロウィーン

アジアの風だより 第181話

ローイ・クラトン+ハロウィーン

11月になりました。波乱の2020年もあと2ヶ月少々しか残されていません。しかし、新型コロナウイルスの蔓延により、ほとんどの人にとっては忌まわしい年になってしまったので、さっさと次の年を迎えたいと思う気持ちのほうが強いかもしれません。

さて、もう過ぎてしまいましたが、先月末(10月末)はタイで様々な祝祭やイベントが執り行われました。バンコクを中心とする反政府デモは依然として続けられていますが、それは別として大きなニュースとなったのは、年に一度の行事となっているローイ・クラトンです。ローイ・クラトンはクラトンと呼ばれる小さな浮き船を川に流して精霊に感謝し魂を浄化させる、タイ国民にとってはソンクラーンに匹敵する重要な仏教行事。陰暦12月の満月の夜と定められているので、行われる日は年によって異なりますが、今年は10月31日がその日でした。

奇しくもその日はハロウィーンの日でもありました。カトリックの万聖節前日の夜に行われるため、こちらは10月の末日と決まっています。

タイの祭日ローイ・クラトンとカトリックの祭日ハロウィーンが同じ日になってしまい、どう考えても大混乱の夜になるはずでしたが、今年は前記のように新型コロナウイルス対策による鎖国が続き、観光客がほぼまったくいない状況下での開催となってしまいました。そのため、どちらかといえば非常に静かな本来の形のローイ・クラトンになりましたが、これを喜んでいいのか悲しむべきなのかは複雑なところです。

一方で、あえてこの日を選んでイベントを組んだ観光地もありました。それがカオサン通りです。タイ国内のイベントは引き続き自粛が求められていますが、この日のこの通りはまったく気にすることもなく、深夜を過ぎても大にぎわいとなりました。

カオサンは今年の初めから通り全体の改修工事を進めていました。電線を地中化し、舗装をはがしてタイル貼りにするなど、観光客を喜ばせるための改革を始めたのです。工事は数ヶ月前に終了していましたが、肝心の観光客がいないのでお披露目はずっと延期になっていました。

このイベントは無事に行われ、非常に大勢のタイ人が集まりましたが、やはり外国人がいないとこの通りは盛り上がりません。歓迎の準備はすでにできています。あとはただ、世界中から観光客がここに、なんの不便も困惑もなく集まれる日が来る日を待つだけですが、それがいつになるかはまだ五里霧中です。

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●国名:タイ
クラトン流しはタイ国内全土の水辺で行われる。通常時は大きなイベントとして開催されるが2020年の今年は新型コロナウイルスの感染抑止のため、公式にはほとんど行われなかった。ハロウィーンは近年になって祝われるようになった祭で、主に都会の繁華街や飲食店でパーティ的に行われている。

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