アジアの風だより 第171話 |
今年はひと月に2度の正月がある年
新年明けましておめでとうございます。今年もシンダイ共々よろしくお願いいたします……と2020年元旦を1週間以上も過ぎたいまになってなにを言ってるんだと思われるでしょうが、実は正月はまだ始まっていません。大晦日さえ来ていません。なぜなら真の正月、いわゆる旧暦での正月がまだ来ていないからです。
日本もタイも新年は西暦で祝います。特にタイなどは12月31日の夜にカウントダウンパーティと称して大騒ぎします。しかし、日本と違って年末年始に長期間の休暇を取ることはありません。公式には12月31日と1月1日の2日間だけが祭日となり、それ以外は普通に平日になります。
アジア諸国の中では中国とベトナムが旧暦の正月を大きく派手に祝います。2020年の今年は1月25日が元旦です。例年ですと2月の始めあたりに来るのですが、今年は妙に早いですね。おかげでひと月の間に2回も正月が来ることになります。
旧暦の正月は、中国では春節、ベトナムではテトと呼ばれ、公式に長期間の休暇となります。2020年は、とりあえず春節は1月25日から27日の3日間ですが休暇は24日から30日までの9連休、テトは23日から29日までの7連休になります。
これだけ長いと家にいても退屈ですし、そもそも春節/テトの期間中は台所に火を入れてはいけない決まりになっています。つまり料理ができないというわけで、まともな食事ができません。これは飲食店も同じで、験をかつぐと言いますか古式に則ると言いますか、この期間は休みます。最近は気にせず開けている店も増えましたが、あまりおいしいものは食べられません。
そこで国民大移動となります。旧正月でも普通に店が開いているタイなどは、彼らの格好の目的地となるわけです。
しかし、今年は異常なほどのバーツ高で外国人観光客の出足が鈍っています。例年ですとホテルは満室、観光地は大ラッシュと、どこに行っても混雑になりますが、今年は正直わかりません。多いことは多いでしょうが、いつもの年ほどには込まない可能性もあります。もしかしたら今年の春節休暇の旅行先はタイではなく、インフレで安くなった日本に照準が合わせられているかもしれません。
●国名:タイその他アジア全域
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