アジアの風だより 第169話 |
乾季の観光シーズン到来と
強すぎるタイバーツ
11月になって雨季もいよいよ終わりになり、年末年始の海外旅行計画を立てるのも大詰めを迎えているはず。ホテルや航空機はそろそろ確保させておかないと価格が高騰するか空室・空席がないということになりかねません。
しかし……今年は早めの予約確定を躊躇している人も多いのではないでしょうか。というのも日本円が安すぎるからです。USドルも安く、それに対してタイのバーツが極端に強くなっています。
2019年11月1日のレートで1バーツが3.66円になっています。銀行の両替窓口で1万円を出せば2700バーツ強が返ってくる計算でしょうか。これは日本人にしてみれば愕然とする瞬間です。昨年の同時期に比べて1割くらい目減りでしょうか。1万円の価値が8000円になったような、かなり損した気分です。
これは日本人にかぎった話ではありません。バーツだけが突出して強いので、世界中でそう思われています。おかげで中国大陸からの団体客もタイ旅行に二の足を踏んでいる状況です。最近のタイ国内の観光地はどこも中国人の団体であふれかえっていますが、これからの年末年始は、閑散とまではいかないものの、落ち着いた空気になるかもしれません。
さて11月といえば、タイはローイ・クラトンです。これは花で飾られた灯籠(クラトン)を水に流す(ローイ)もので、この国に乾季の訪れを告げる行事になっています。日取りは旧暦で決められますが、2019年の今年は11月11日(月)がその日です。日中でもかまいませんが、にぎわうのは陽が落ちてから。クラトンに乗せられたロウソクに火が灯り、水辺を美しく輝かせます。
最近はコーム・ローイと呼ばれる熱灯籠を夜空に向かって放つ行事も人気を集めています。これは航空機の飛行に障害が出る関係でバンコクでは禁止されていますが、北部では観光事業のひとつとして盛り上げられています。本場のチェンマイではすでにホテルが取りにくい状況ですが、まだ間に合うかもしれません。この時期にタイを訪れる予定があるなら、旅程に入れてみるのはいかがでしょうか。
●国名:タイ
ローイ・クラトンは水辺で行われる。当日の夜はタイ国内の大きめの川や池のある公園がにぎわっているはず。
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