アジアの風だより 第155話 |
タイの夏、日本の夏
今年(2018年)の日本の夏は異常な暑さとなりました。全国各地の最高気温の記録を次々と更新する文字どおり記録的な夏です。8月を過ぎ、いまは9月に入っていますが、涼しくなったとは言えません。秋になっても気温は下がることなく、10月あたりまで暑さが続くとの予報が出ています。
日本の気候は温帯湿潤気候または冷帯湿潤気候に分類されています。文字列から推測すると、そう暑い国ではないように思えますが、記録されている最高気温は41.1度で、これは今年の7月に埼玉県熊谷市で観測されました。続く記録は41.0度で、これも今年の8月に日本国内の2箇所で観測されています。最高気温が40度を超えたところで驚く気にもなれない日本は、すでに熱帯の国の仲間入りをしているのかもしれません。
一方、シンダイの本社があるタイ王国は、気候区分では熱帯性に分類されています。これは日本より気温の高いエリアに属していることを意味していますが、今年の7~8月に関するかぎり、日本とタイの季候は完全に逆転していました。
ただし、このままでは比較になりません。日本の真夏は7~8月ですが、タイの真夏は4~5月にあたるからです。
タイがもっとも暑くなるのは新年を祝うソンクラーンがある4月から5月にかけてです。タイではこのあたりが真夏となり、各地で毎年40度前後の気温が記録されます。ちなみにこの国の最高気温は2016年に北部メー・ホーン・ソーン県で観測された44.6度。続いて中部ウッタラディットで44.5度、遺跡都市スコータイでは44.1度が記録されています。40度くらいの気温では「まだまだ」となるようですが、体温よりははるかに高く、死者も毎年出ています。
「タイ人は日本人より暑さに強い」と言われますが、実際はどうでしょうか。はっきりわかるのは、タイ人は暑さへの対処方法を心得ていることです。暑いときにはなにをすればいいか、いや逆に「なにをしてはいけないのか」を知っています。これはまさに日本人が、これから見習うべきことでしょう。
この詳細については、またいずれ書くことにしたいと思います。
●国名:タイ
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