アジアの風だより 第150話 |
新国王下でのソンクラーン
タイで4月と言えばソンクラーンです。ソンクラーンは、日本では「水かけ祭」と称されていますが、実際は「正月」のことです。タイではソンクラーン当日の4月13日が新年の元日にあたるのです。その日に水をかけあうので「水かけ祭」とされていますが、そもそもは日本の元日と同様のおごそかな日です。
最近はこの「水かけ」が注目され、国家的規模のイベントになりました。誰彼かまわず水をかけてはしゃぐ大騒ぎイベント=ソンクラーンと呼ぶべき状況です。外国からの観光客を呼び込むためにタイのお役所がそう仕向けたわけでもありますが、近年の極端な無礼講状態には閉口するタイ人も増えてきています。
ただ、昨年のソンクラーンは近年とは様子が違っていました。もうすっかり過去の記憶になっていますが、昨年は崩御されたラーマ9世の喪中にあり、騒ぎを慎む指示が出されていたのです。にもかかわらず場所によっては相当な混乱になっていましたが、国を挙げてのイベント色はかなり薄められていました。
今年はいったいどうなるでしょうか。新国王戴冠の噂も出ず、いまのタイには祝祭ムードはありません。自粛の気配もありませんが、目を見張るようなイベントが企画されたという話もなく、あるいはこのまま静かに新年を迎えることになるのかもしれません。
巷での水かけは、やはり激しいものになるはずなので油断はできませんが、全般的には普通の連休になりそうです。といいますか前国王が崩御される前までのソンクラーンが異常過ぎるほど中身のない騒乱になっていましたので、それくらいがよいのかもしれません。
今年は4月13日の元日をはさんで12日から16日までの5連休になることが発表されています。その前週は6日(金) がチャクリー王朝記念日の祝日で、週末を含めて3連休となります。毎年のことですが、タイの4月は気合いの入れにくい月と言えるでしょう。
●国名: タイ
●都市名: タイ全土 場所を問わずに祝われる
●行き方:
バンコクなら歩行者天国となるシーロム通りとカオサン通りが大騒ぎの場として有名。近年は大陸からやってくる中国人旅行者が中心となり、趣旨を忘れた無礼講と化している。この期間は首都や地方に関係なく、タイ全国のどこに行っても水びたしになるのは覚悟したい。カメラ、携帯電話、時計、財布などは防水対策を忘れずに。
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