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アジアの風だより 第148話

今年の旧正月は2月

さて、毎年恒例というか、年に一度は必ずやってくる正月の季節です。西暦の正月は一ヶ月前に終わりましたが、次に来るのは陰暦の正月、いわゆる旧正月です。2018年の今年は例年より若干遅い感じの2月16日が元旦に当たります。

かつては日本でも旧暦の元旦には行事があったりお供えものをしたりして、地域によってはこちらのほうが由緒正しかったりしましたが、今ではほとんど見聞きすることはありません。しかし、日本を除くアジアの広域では、今でもこちらの旧正月のほうが気合いを入れて祝われています。

中国や台湾は、旧正月は「春節」と呼ばれています。ベトナムでは「テト」がその日です。ベトナム戦争の当時でもテトの期間中は休戦になったくらいで、一年を通じて最も重要で長い休暇が取られます。

この期間を利用して、アジアの人たちは旅行に出ます。その目的地として最近はタイが人気になっているようです。その理由としては、手近で安いということもありますが、他のアジア諸国に比べるとタイはあまり本気で旧正月を祝っていないことが挙げられるでしょう。

旧正月の期間中、中国、台湾、ベトナムでは、多くの会社や商店が休みとなります。言い伝えによりますと、この期間中は台所の神様が天上界に帰ってしまうので、調理をしてはいけないのだとか。年末におせち料理を作って正月は寝て過ごすのは日本にもありますが、その慣習もそもそもはこれが起源となります。

これがあるため家庭はもちろん食堂なども、すべて休業になります。新年のお祝いに外食しようにも店が開いていなければどうにもなりませんが、タイは旧正月も普通の日です。華僑経営の商店や工場では休むところもありますが、公的には祝日になっておらず、最近は休んでいるところのほうが珍しかったりもします。このため、海外から旅行でやってきても、充分に楽しむことができるのです。
おかげでこの期間のタイ国内は観光地を中心に大変な混雑となります。交通機関も麻痺状態になりますので、旅行するならタイはもちろんアジア全体を避けるか、あるいは期間をずらすのが賢明でしょう。

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●対象国: アジア全域
 旧正月(旧暦)
 タイ・ラオス・カンボジア:平日
 ベトナム:テト(長期休暇)
 中国・台湾:春節(長期休暇)

●参考バックナンバー:アジアの風だより 第135話 ダブル正月到来

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