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アジアの風だより 第143話

ホテルでいただくビュッフェ

タイのホテルは、中級以上であればビュッフェ式の朝食が付いているのが普通です。団体旅行やパッケージツアーでの予約であれば間違いありません。チェックインのときに渡された朝食券を出すか、ルームキー(キーカード)の提示で席に着くことができます。目の前に並んだ料理のなにをどれだけ食べても構いません。

そうした「おまけ」のイメージがあるためか、ビュッフェ式の食事を軽蔑する人が多くいます。トーストと目玉焼きとソーセージとわずかの野菜=ビュッフェと脳裏に刷り込まれている人がほとんどなのでしょうが、最近のバンコクのホテル業界はそんな低調なイメージを吹き飛ばすのが目的のような超豪華ビュッフェを用意して集客に努めています。

世界各地の港から取り寄せた生牡蠣、ハモンセラーノを中心とした生ハム、色とりどりの生野菜に豊富な点心と前菜からして迷うばかり。スープはトムヤム・クン、中華風かに玉、コンソメ、ポタージュがそろい、メインは牛、ラム、豚、鶏、魚とほぼなんでもあります。中華、洋食、インド、日本にタイと調理方法もまるでオリンピックか万博会場のような多才さ。なにもかも味わってみたくなりますが、デザートにたどり着く前に胃がもたれるのが決まりのようなものです。

価格的にも立派です。目も口も納得できる料理を取りそろえたビュッフェでは、やはり1,500バーツ/1人(税・サ別)前後は必要で、飲みものを加えれば1人2,000バーツ前後になるかもしれません。これだったら街の高級料理店でも普通に食事できますが、前菜に生牡蠣を選び、スープはトムヤム・クン、メインはローストビーフと寿司、デザートはカオニャウ・マムアン(マンゴーと甘いもち米)などといった無国籍な注文ができる店はさすがに存在しません。

2人以上で旅や出張を続けていると、そのうちに希望する食事の意見が合わなくなってきます。なにかおいしいものを食べたいけれど、一方は薄味の和食がいいし、もう一方は精のつく肉料理が食べたいと言い出し始めるものです。そんなときは、こうした高級系のビュッフェをチェックしてみるのがいいでしょう。名のあるホテルであれば、味や内容で大きくはずれることはないはずです。

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●国名: タイ
世界的なホテルチェーンのレストランであれば、どこでもだいたい期待できる。内容は料金に比例していると考えておけば間違いない。

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