アジアの風だより 第135話 |
ダブル正月到来
無事に年が明けました。2017年がどんな年になるかはまだ誰にもわかりません。なにはともあれ発展的で平和な年が望まれます。
さて、2017年の1月はタイを含むアジアの全域で、一ヶ月の間に二度の正月がやってきます。
1月1日は、無論のこと正月です。ほとんどの国でこの日は祝日となります。新年元日ですからそれは当然と日本人なら考えるでしょうが、しかしこの元日は新暦、つまり西暦における元日です。この日は、日本人が想像する以上にあっさりと過ぎてしまいます。
新年を迎えるカウントダウンはにぎやかですが、それが終わると静かなもので、正月だからといって特別になにかをするわけでもありません。雑煮を食べることもなければ初詣にも行きません。気分新たに行く人もいますが、日本ほどの一大行事ではありません。
実はアジアでは、西暦の元日よりも旧暦のその日のほうが大きく祝われるのです。
月の満ち欠けに合わせて変動する旧暦と新暦では、元日の日付が違っています。そしてアジアの多くの国々、特に中華文化圏では、いまだにこの旧暦の元日こそ真の元日と信じられているのです。仏教徒の多いアジアでは、初詣に出向くのもこの日です。
今年は西暦の元日の4週間後、1月28日(土)が旧暦の元日となります。旧正月……中華文化圏でいうところの春節ですね。ベトナムでは「テト」と呼ばれています。
毎年この前後には民族の大移動が起こります。中華文化圏では一週間前後の長期休暇になるため、一斉にどこかに旅行に行くのです。近年は中国大陸から大量の中国人民がタイに押し寄せましたが、いまだ喪中にある今年はどうなるでしょうか。去年よりは少なくなるかもしれませんが、やはり大勢が訪れることでしょう。
●国名: アジア全域
正月(新暦)
元日はどの国も祝日
旧正月(旧暦)
タイ・ラオス・カンボジア:平日
ベトナム:テト(長期休暇)
中国・台湾:春節(長期休暇)
バンコク在住著者の藤井伸二が、個人的に「ここはおいしい」という食事処を紹介。ガイドブックにも載っている有名なレストランから入るのがためらわれる路地裏のローカル屋台風食堂まで。
イカロス出版より全国の書店で好評発売中!