アジアの風だより 第133話 |
国王崩御 服喪の一ヶ月
すでにみなさんご存じのように、2016年10月13日、チャクリー王朝第9代、ラーマ9世タイ国王が崩御されました。タイ王国は翌14日から30日間の半旗掲揚となり、公務員は1年間の喪に服することが決定しています。
この半旗を掲揚する30日間が国民の服喪期間となり、娯楽の自粛が求められています。具体的には祝祭やイベントの中止です。これを受けてタイ国内で開催が予定されていたコンサート、歌謡ショー、スポーツの試合はすべてキャンセルとなりました。公共の広場での催し物なども中止されています。
崩御直後に仏教日があったため酒類の販売が一時規制されていましたが、現在は通常に戻っています。ただし条件がありまして、飲食店での販売は屋内のみにかぎり、歩道などの屋外では自粛。店内でもBGMは音量を絞って流すことになっています。宴会やパーティなども規制されてはいませんが、バンドの生演奏や大声での乾杯の音頭は禁止です。これらは、とりあえず崩御から30日間は守るようにとの指示が出ています。
観光イベントも中止が相次いでいます。もっとも規模が大きいのは今月(11月)の15日に行われる予定だったローイ・クラトンのイベントで、こちらは前後夜祭も含めて組織的なものは全国的にほぼ中止となりました。
*ローイ・クラトンについては昨年のこちらの記事をご一読ください。
大きなランタンを空に飛ばす有名なチェンマイのイーペン祭も早々に中止が発表されましたが、その後に撤回され、規模を縮小して行われることが正式に発表されています。ローイ・クラトンに関して言えば、組織的なイベントは中止されても個人レベルでクラトン(小さな浮き船)を流すのはかまわないようです。ただし毎年盛大に打ち鳴らされる花火は禁止になるはずです。
11月20日に開催予定だったバンコク・マラソン2016も来年2月5日に延期という発表がなされています。参加型スポーツ系イベントのほとんどは延期または中止になっていますので観戦や参加を予定されている方はご注意ください。
タイ国内の観光名所は普通に立ち入り・見学・拝観することができます。ただし国王のご遺体が安置されている王宮(ワット・プラケオ)内は儀式などで閉鎖になることがありますので、タイ政府観光局の事前発表にご注意ください。それ以外の寺院については、これまでと変わりありません。デパートやショッピングセンターも通常どおりに営業中です。
これからタイを訪れる人に向けての注意としては、派手な柄の服は避け、黒またはそれに近い色の服を選んでバッグに入れたほうがよいことでしょうか。それ以外は、あまり気にする必要はありません。
●国名: タイ
●都市名: タイ全県
バンコク在住著者の藤井伸二が、個人的に「ここはおいしい」という食事処を紹介。ガイドブックにも載っている有名なレストランから入るのがためらわれる路地裏のローカル屋台風食堂まで。
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