アジアの風だより 第128話 |
ノーンカーイでのラオス国境越え
国土の東西南北を4つの国に囲まれているタイ。ここから飛行機を使わずに隣の国に行く方法とルートはいくつもあります。中でもイサーンの北端ノーンカーイからメコン川を渡ってラオスに入るルートは昔から一般的でした。というのも、そこにはラオスの首都ヴィエン・チャンがあったからです。
ヴィエン・チャンはタイの国土からもっとも近い一国の首都で、大きな国際級のホテルがあり、企業の本社があり、各国大使館があります。タイのビザ取得に際しても、いまでもここが便利です。そうそう、みなさんはこのHPを運営している「シンダイ」の社名の所以をご存じでしょうか? これはかつて航空機が普及していなかった時代にバンコク在住日本人のために快適な「長距離用寝台バス」をヴィエン・チャンまで往復させていたことから付けられました。「寝台バス」が「寝台」、それがやがて「シンダイ」と顧客の声に合わせて変化していったのです。「シンダイ」がタイのビザや労働許可証の取得に強いのも、当時からの長い歴史と営業実績があるからなのです。
さて、2016年6月現在、ノーンカーイからラオスの首都ヴィエン・チャンに入る方法はいくつかあります。
- ノーンカーイあるいはウドーン・ターニーのバス・ターミナルからラオスの首都ヴィエン・チャンまで行くバスに乗る。
- ノーンカーイ市内から友好橋のたもとにあるタイのイミグレーションまで行き、出国手続きを済ませてから渡橋専用のバスに乗って橋を渡る。ラオス側で入国手続きを済ませたあとはラオスのイミグレーション前から出ているヴィエン・チャン行きの乗合バスに乗るかサムローを利用する。
- バンコクの北バスターミナルから出ている国際直行バスでそのままラオスの首都ヴィエン・チャンまで行く。目的がヴィエン・チャンのみであれば、これがもっとも楽。ただし、出入国手続きのためイミグレーションでは下車しなければならない。
- ノーンカーイ鉄道駅から1日に2本出ているラオス領内ターナレーン駅に向かう列車を利用する。ターナレーン駅からはタクシーまたはサムローを利用する。出入国手続きは両国の駅構内で行う。
「シンダイ」はもう長距離寝台バスを走らせていませんが、もしまだメコン川を越えたことがないなら、この機会にいかがでしょうか。
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●国名: タイ
●都市名: ノーンカーイ
●行き方:
バンコクからは北バスターミナル(モーチット)から出る長距離バスとバンコク中央駅(ファラムポーン)から出る列車を利用することができる。またノーンカーイには空港がないので空路を利用する際はドン・ムアン国際空港から出るLCCで南のウドーン・ターニーの空港に降り、バスやタクシーなどでノーンカーイに入る。
バンコク在住著者の藤井伸二が、個人的に「ここはおいしい」という食事処を紹介。ガイドブックにも載っている有名なレストランから入るのがためらわれる路地裏のローカル屋台風食堂まで。
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