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HOMEコラムアジアの風だより第126話 水不足のソンクラーン

アジアの風だより 第126話

水不足のソンクラーン

4月です。お正月です。ソンクラーンがある月ですよ!

ソンクラーンは、日本ならびに世界に向けては「水かけ祭」と紹介されていますが、そもそもこれはタイで新年を祝う行事なのです。文化的・宗教的側面よりも観光集客用のイベント的価値が重視されて、最近はソンクラーン=無礼講と勘違いしている向きもあるようですが、目立つのはその部分(=相手かまわずの水のかけあい合戦)なのでどうしようもありません。

しかしこの水かけ、今年(2016年)はどうなるのでしょうか。というのも今年のタイは全土で水不足に見舞われているからです。

雨季に雨がほとんど降らなかった影響で、タイ国内のすべてのダム貯水量が平均をはるかに下回っています。国内の全県で渇水が予測されているといいますから尋常ではありません。タイの北部と東北部を流れるメコン川の水量も、今年は目に見えて減っています。同じ流域にあるラオス、カンボジア、ベトナムではすでに干ばつの被害が出ているエリアもあり、まったく予断は許されません。

渇水が続いて被害が出るような場合、ソンクラーンでの水遊びを規制するという噂も一部には流れています。タイを支える農作物の生育に影響が出るならそれもしかたがありませんが、年に一度のこの大イベントで、人々はそれを我慢できるのでしょうか。

元旦は13日ですが、例年ですと前日の12日から水かけが始まります。バンコクの東のパタヤーや南のプラプラデーンでは翌週にも同様の水かけ行事が行われますが、現状ではどのような規模で行われるか、はっきりしていません。今年のタイは、新年を祝う前に空に向かって雨乞いをしたほうがいいような、そんな暑い日々が続いています。

*最新の政府発表で、今年のソンクラーンの水かけは4月12日から14日までの3日間限定で行うことになりました。この3日間はいずれも午後9時に水かけを終了せよとの指示です。

ソンクラーン記事のバックナンバーはこちら
アジアの風だより 第114話 ソンクラーンがやってきた
アジアの風だより 第102話 ソンクラーンは帰省の日
アジアの風だより 第90話 タイの正月 ソンクラーン

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●国名: タイ
●都市名: タイ全土。場所を問わずに祝われる
*バンコクなら歩行者天国となるシーロム通りとカオサン通りが大騒ぎの場として有名だ。水不足の今年も、この2ヶ所だけは政府主導のイベントが開催される予定になっている。首都や地方に関係なく、三が日はタイ全国のどこに行っても水びたしになるのは覚悟したい。カメラ、携帯電話、時計、財布などは防水対策を忘れずに。

バンコク在住著者の藤井伸二が、個人的に「ここはおいしい」という食事処を紹介。ガイドブックにも載っている有名なレストランから入るのがためらわれる路地裏のローカル屋台風食堂まで。
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