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アジアの風だより 第117話

パノム・ルン遺跡

前回はイサーンの入口、ナコーン・ラーチャシーマーのピマーイ遺跡を紹介しました。今回はそこから1時間ほど東にあるタイ国内最大のクメール遺跡をご紹介しましょう。

タイ東北部イサーン地方には数多くのクメール遺跡が点在していますが、その中でもっとも大きいのがカオ・パノム・ルン遺跡です。頭につけられている「カオ」はタイ語で「山」を意味していますが、その名のとおりで、この遺跡は海抜400メートルの山の上に築かれています(「パノム」もカンボジアの言葉では「丘」の意味)。イサーンの平均標高が200メートルで、それを差し引いても200メートルの高さがありますからたいしたものです。

国道が通るバーン・タコの町からこの遺跡に向かうと、平原の向こうにこの山が忽然とそびえ立っている姿を見ることができます。山は死火山で、いまは活動していませんが、遠い昔に溶岩が吹き上がってできたのでしょう。その稜線上に遺跡があり、全体がピマーイと同様の歴史公園として整備されています。

東の入口から踏み込むと、まずは登りになりますが、それを越えると向こうの山の頂上に築かれている石造りの本堂が見えます。こちら側と本堂はやはり石造りの長い参道で結ばれています。両側には石柱が立ち並んでいますが、まるで日本のお寺の石灯籠のようで、荘厳な気分が高まります。

この参道を渡り、きびしい階段を登ってようやく本堂にたどり着くことができます。建築されたのは12世紀前後と見られていますが、自然の地形をうまく利用した見事な設計になっています。

山頂の本堂の作りは見事なもの。本家アンコール・ワットと同様の様式で築きあげられた中央の仏塔は約30メートルの高さがあり、周囲は屋根付きの回廊で囲まれています。残されている彫刻も精緻で、カンボジア国内に残されている有名なアンコール王朝の遺跡群と比べてもひけをとりません。

アクセスが不便な場所にあるだけに気軽に行くことはできませんが、だれもが知っている名所なので、話は早かったりします。ナコーン・ラーチャシーマーのバスターミナルから遺跡の近くまでバスが出ているので、個人で行くことも可能です。都会の生活に飽きているなら、一気に足を延ばしてこの聖地を征服してみるのもおもしろいでしょう。

パノム・ルン遺跡 イメージ1 パノム・ルン遺跡 イメージ2
パノム・ルン遺跡 イメージ3 パノム・ルン遺跡 イメージ4

●国名: タイ
●都市名: ブリーラム
●行き方: イサーンのナコーン・ラーチャシーマーから隣のブリーラム県方向に向かってバスで40~50分。バーン・タコの交差点で下車。そこから待機しているバイクタクシーをチャーターして片道15分前後。交通不便なのでバンコクからの日帰りはきびしいでしょう。

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