アジアの風だより 第110話 |
タイの年末行事
12月になりました。2014年も残すところあと1ヶ月もありません。
12月のタイには祝日が3日あります。最初は12月5日で、これは現タイ国王であるプーミポン・アドゥンヤデート国王陛下(ラーマ9世王)の誕生日となります。タイの国王は「国民の父」と呼ばれていますので、この日はタイでは父の日になります。国王の誕生日を祝うとともに、全国各地で父親を敬い讃える行事が行われます。
首都バンコクでも行事が行われますが、中心となるのは王宮前のサナーム・ルアン(王宮前広場)です。広場には特設ステージが組まれ、首相以下国家の重鎮らが顔を揃え、キャンドルに火を灯して祝辞を述べ、賛歌を歌い、国王を讃えます。行事は陽が落ちてから始まりますが、周辺には大勢の人々が集まって、同じようにキャンドルを捧げ持ち、誕生日を祝います。最後には花火が盛大に打ち上げられますが、これも見ものです。
10日はタイの憲法記念日です。タイの憲法は恒久憲法を謳いながらも軍事クーデターによってそのたびに打ち捨てられ、新しいものが発布されます。結局のところ軽視されている印象もありますが、その重要性を確かめる日でもあります。
最後は12月31日の大晦日です。タイは12月31日と翌1月1日が祝日に指定されているため連休となります。今年(というか来年)は特例で2日の金曜日が祝日に指定されたため、3日の土曜を含めて31日の木曜から4日の日曜まで事実上の5連休となりました。毎年のことですが大晦日の前日は田舎に帰省する人たちでバスターミナル、鉄道駅、空港は大混雑しますので、移動はお早めに。
帰省しない人、年末年始の旅行にも行かない人はバンコク都内で年を越します。年越しのイベントも都内のあちこちで開催されますが、最大のイベントは都内中心部、セントラル・ワールド前で行われます。こちらは過去記事を参照していただければと思いますが、カウントダウン前後の人出は数十万人にもなりますのでご注意ください。
大晦日のカウントダウンの記事はこちらです。2年前の記事ですが、いまもかわりありません。アジアの風だより 86話 カウントダウン2013
●国名: タイ
●都市名: タイ国内全土
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