アジアの風だより 第4話 |
ランプーン
ランプーンに行ってきました。ランプーンはタイ北部の中心都市チェンマイの南、約26キロにある小さな街で、訪れる観光客もあまりいません。
そんなランプーンのさらに南、約20キロ進んだところにあるのがワット・プラ・プッターバート・ターク・パーと呼ばれる仏教の聖地です。小高い山のふもとにあるこの寺は高僧たちによって管理され、優れた瞑想の地として有名ですが、それというのもかつてお釈迦様がこの地を訪れ、濡れた僧衣を干した場所とされているからなのです。境内にはそのお釈迦様の足跡も残され、訪れるタイ人は後を絶ちません。
この足跡ですが、これを「足跡=あしあと」と読んで理解していると驚くかもしれません。というのもこの足跡、縦の長さが1メートル以上もあり、見方によってはただの四角くくぼんだ穴としか見えないからです。
これが本当の「あしあと」だとしたら、お釈迦様は相当な巨人であったとしか考えられませんが、もちろんこれは足跡の象徴として祭られています。
聖地の背後の山の上には仏塔が立っています。合計470段もある階段を登ってたどり着くと、ランプーンからパサンにいたる広い平原が一望できるでしょう(歩くのが大変な人は、お寺の裏から車で登ってください)。
観光地化された寺院ばかりに連れて行かれ、なんとなく疲れを感じたときは、こうした緑豊かな大地に立つ静かな寺院を訪れて、心洗われる風景を楽しむのも風情があっていいものですよ。
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