アジアの風だより 第240話 |
危険回避の心得
「第235話」でタイの地震について少し解説しましたが、タイ国内における災害について説明しましょう。
→ 第235話 バンコクでも発生する大地震
まずは地震ですが、大きく心配する必要はありません。タイの国土には大規模な直下型地震が発生するような断層がないからで、北部や南部の一部を除いて日本のような真下から来る直撃的な地震はほとんどありません。ただし2025年のミャンマー地震や2004年のスマトラ沖地震のように、隣国で発生した地震の影響を受ける可能性はあります。タイの新しい高層建築物は耐震設計に加えて強風への対策が講じられていて、暴風雨などの際に揺れることがありますが、これは設計の範囲内です。心配はありませんが、不安であれば、なるべく低層のホテルを選択・予約するべきでしょう。
水害は例年、タイ国内のどこかで間違いなく発生しています。ただ観光客が集まるような場所で発生することはまれで、よほどの不注意でないかぎり巻き込まれることもないでしょう。
火災は普通に発生しています。観光客が巻き込まれるとしたらホテルあるいはショッピングモールになるでしょうが、大規模なホテル火災はほとんど発生していません。もちろん「絶対に」とはならないし、発生する可能性はあると常に考えておくのが大切です。ホテルにチェックインした際に忘れないようにしてほしいことは、こちらに書いていますので参考にしてください。
→ 第232話 ホテルにチェックインしたらするべきこと
いずれにしても大切なのは「君子危うきに近寄らず」のことわざでしょう。海外での災害は、いきなりという感じで襲ってきます。物見遊山の気分で見物している余裕があるなら、すぐに安全地帯へ待避するのが賢人です。
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●国名: タイ
タイは観光客を大切にしてくれる国ですが、それでも油断は禁物です。
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著